ケネディ・センター改名案に波紋 メラニア夫人の名を冠する動きの背景とは
アメリカ議会で「ケネディ・センターのオペラハウスを“メラニア・トランプ・オペラハウス”に改名する」という修正案が浮上し、政治と文化の交差点で大きな議論を呼んでいます。提案したのはアイダホ州選出の共和党下院議員マイク・シンプソン氏。2026年度予算案にこの修正を加え、下院歳出委員会で可決されました。
さらにミズーリ州の共和党議員ボブ・オンダー氏は、ケネディ・センター全体を「ドナルド・J・トランプ芸術センター」に改名する法案も提出。こちらは「Make Entertainment Great Again Act」と銘打たれ、トランプ氏を“現代の文化的アイコン”と称賛しています。
こうした動きに対し、JFKの姪であるマリア・シュライバーはX(旧Twitter)で「狂気の沙汰。はらわたが煮えくり返る」と激しく反発。ケネディ家の他のメンバーも「命名権は連邦法で制限されている」と法的な問題を指摘し、反対の姿勢を示しています。
This is insane. It makes my blood boil. It’s so ridiculous, so petty, so small minded. Truly, what is this about? It’s always about something. ‘Let’s get rid of the Rose Garden. Let’s rename the Kennedy Center.’ What’s next? https://t.co/0qC7YU6ObT
— Maria Shriver (@mariashriver) July 28, 2025
*マリア・シュライバーはシュワルツェネッガーの元妻
一部からは「メラニア夫人に芸術的な貢献は見られない」との批判もありますが、背景には別の意図も見えます。リベラル文化の象徴ともいえるケネディ・センターに保守的価値観を重ねようとする、いわば文化的カウンターアクションとしての意味合いが強いようです。トランプ派の支持者へのアピールとして、象徴的な勝利を演出しようとする政治的戦略とも読み取れます。
現時点で法案が成立する見込みは低いようですが、文化と政治の境界線がますますあいまいになっているアメリカ社会を象徴する一件といえるかもしれません。